「ユキテラ タカコ(仮名)の母です!!」と水戸黄門のように名乗る人の話

お知らせ

資産家の同級生の家族についての話です。

自宅にカラオケがあった

小学校の同級生で家族して我が家に嫌味を言ってくる一家がありました。

仮にユキテラ家としましょう。ユキテラさんの家は地域で有名な資産家一族で、カラオケが流行り始め、カラオケボックスが無い時代に自宅にカラオケがあるお家でした。

それから数年後、私が中学受験に失敗した時のことです。偶然、この母娘、弟の3人と出くわしました。すると低学年の弟コウスケさんが私に駆け寄ってきて「落ちてんで、落ちてんで!」と嬉しそうにはやしたてましたが、ユキテラ夫人は私に謝罪することは当然ありませんでした。

きっかけ

その家族に嫌悪感はありましたがそれが一気にたかまった出来事があります。それは私が社会人の時に亡くなった父の葬儀でのことです。その時代は家族葬が一般的になる前だったので葬儀会館で行いました。

通夜も終わり、親族控室で親戚と打ち合わせしている時のことです。葬儀会館のスタッフが弔問客が来られているので、こちらにお連れしましたと言われました。

親戚も全員集まっており変だなと思い対応すると、ユキテラ夫人グループでした。
グループの構成は3人でユキテラ夫人、その娘タカコさん、夫人と同様マウント好きな社長夫人でした。

タカコさんとは同級生といっても小学校卒業以来、付き合いがなかったので驚きました。そしてユキテラ夫人はなぜか笑顔なのです。本音が抑えられないといった表情でした。

故人を偲ぶ言葉がないわけですから、当然、お悔やみの言葉もありませんでした。私としては親しい付き合いをしてないのに親族控室にまで押しかけて来る行動に驚きました。

後日、その親族控室で一緒だった人に弔い目的で来た感じの人ではなかったねと言われたのが記憶に残っています。そういう行動があってからますます警戒するようになりました。

ユキテラ夫人との再会

ユキテラ夫人は家業に従事されているので時間の拘束はなかったように思います。また、外部に働きに行くという選択は無かったみたいで、商店街の飲食店で同じ資産家のママ友と集まっては情報交換しているみたいでした。

そして、ユキテラ夫人の嫌味は私の学生時代だけでおさまりませんでした。私が未婚と知ると道で出会うと側に駆け寄ってきては「気楽でいいね~」とわざわざ言いに来る有様でした。

町内会で顔を合わすこともあるので何も言い返さず、その家族の姿を道で見かけたら道を変えるなどして避けるようにしていました。

それからは私も仕事が忙しいこともあり10年近く見かけることはありませんでしたが、最近、再会しました。

昼間、用事があり自宅前で自転車に乗ろうとしている時、前方に補助器具を使っているユキテラ夫人の姿を見かけました。

私を見つけた時は通常の表情だったのですが、私のほうに向かう時に表情の切り替えをしました。威厳に満ちているであろうと本人が思っている表情に切り替える準備をし出し、準備が整うと通行人が振り返りそうな大きな声で「ユキテラ タカコの母です!!」と夫人独特の名乗り方をしました。

話は逸れますが、町内会の会議でご主人名義の席に代理で出席し、自己紹介する場合も「タカテルです。」もしくは「ユキテラの妻です」とは言わず「ユキテラ ヒロマサ(ご主人の仮名)です」と名乗ります。

こういう名乗り方は一般的なのかどうかわかりませんが、そういう名乗り方ばかりするので、この再会でそういう名乗り方をされても不自然には感じませんでした。


なんだか時代劇ドラマ「水戸黄門」の印籠を見せる場面と似ています。娘の名を名乗ったら、私が恐れおののいて、水戸黄門の民衆みたいにひれ伏すことを本当に信じているようでした。

ユキテラ夫人の本拠地であるこの場所で、この行為をクスッと笑おうものならどんな仕返しをされるかわかりませんから、おかしいと思っても笑えません。

本題に戻りますが名乗りをした後、補助器具はいらないのではないかと思うスピードで私に駆け寄って来て、私の自転車の前にカゴをつかむかのように立ちはだかりました。

夫人の表情が笑顔ではなく、強張っていることから知らない人が見たら交通トラブルで私が注意されているようにも見えてしまいます。

夫人が駆け寄って来た後に私が「お世話になっています」と挨拶しても、その返事はなく、単刀直入に母の様子をきいてきました。

その尋ね方が「お母さんは、元気にされていますか?」といった穏やかな感じではなく、顎を斜め上にすると詰問口調で「お母さんは?」ときいてきました。

母が健康であることを言うと眉間にシワがより忽ち不機嫌になり黙ってしまいました。彼女が期待していた返事ではなかったようです。

時間が迫っているから自転車を動かしたいことを伝えると、まだ話し足らない様子でした。そして、私が自転車を前進させようとすると急いでいるのかと泣きそうな表情で縋ってきました。

このまま立ち話を続けていたら、夫人がどんな攻撃をしてくるかわかりません。逃げ切ったほうが正解です。

自転車に乗り、後ろを振り返るとその場にまだユキテラ夫人が立っていました。本当に私が急いでいるのかを監視しているかのようでした。

しかし、再会当初の「ユキテラ タカコの母です!!」と言った時の威圧的な表情と縋ってきた時の表情の変化には驚きました。


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