C子さん、70代の夫婦二人暮らしの女性で、私の母よりは年下で町内のご家庭の動向や高齢者の生存情報をチェックするのが日課のような方でした。
高齢者の姿を見かけなくなるとすぐ老人ホームに入居したと決めつけたり、あそこの戸建ての家の人、独身だと喋ってくるなど、こっちがきいていないことを話してくるのです。
私は出会ったら、挨拶する程度の付き合いだったのですが、令和初期あたりから急に根堀り葉堀りきかれるターゲットにされました。
その時期は家族がディサービスに通い始めた頃で、母が買い物に行くことはなくなりました。すると、C子さんに母を老人ホームにいれたのかとききに来たので、驚きました。
そして、病院の待合室で一緒になると、私の隣の空いた席に座るなり「あんた、どっか悪いんか?」と言った後、「お父さん死んで何年たった?」と言ってきました。特にうちの父のことを偲んできいてきたわけでもなさそうでした。
別の日には、母がディサービスに今日も行ったのかどうかをきいてきたり、家族の行動をきいてくるので困っていました。勿論、心配してきいてくれているという感じではありませんでした。
ディサービスに行ったかどうかの確認は、老人ホームに入居させたかどうかの確認のようで、仮にディサービスにに行くのを嫌がる状況だと話せば、老人ホームに入居するのではという予想をたてていたみたいでした。
C子さん、どうもディサービスに通いだしたら死が近いと判断するようでした。
ただ、C子さんに困っていたのは、私だけではないことがわかる出来事はありました。私と出会うと笑顔で挨拶して下さる町内の方がC子さんに「おはよう!」と間近で声をかけられていても無視されていたからです…
その後、朝のディサービスの送迎の車が来ている時にC子さんと出くわすと私の側に駆け寄ってきては、根堀り葉堀りききたそうにするので在宅の仕事があるのでとかわすようにしました。
そしてある日、スーパーの売り場で出会いました。挨拶をした後、また声を掛けたそうにニターッと笑ってきたので、急いで別の売り場に移動しました。その行動で本人の顔色も変わり、私が嫌がっていることにやっと気がついたようでした。
その後は声を掛けられること、会うことはありませんでした。それは急死されたからです。自転車に乗る元気な姿を見ていたから驚きました。
C子さんは自分は老人ホームに入居することもないはずで死ぬのはまだまだ先だと思っていたから、町内の高齢者の健康状態をききだしては、衰え具合を計算し、いつ頃老人ホームに入居するのかを予想することを楽しみにしていたようでした。
ただ、不思議だったのは、自分が通院する病院に関しては気にならなかったようです。その病院はグーグルマップの口コミの評価が低く、私も通院したことがありますが不安に思うことがあり転院しました。
そういう評判なのに、その病院に通院していることが不思議でした。根堀り葉堀りきくのが得意なのに病院関係の情報収集はしなかったのか、それとも医師との相性がよく通院を続けていたのかなどと考えてしまいました。
ディサービスに関しても、私の母がディサービスに行ったかどうかをきくことよりもディサービスではどういった取り組みしているのかをきくなどしてC子さんもディサービスに通うまではしなくても、血圧を測ってみるといった習慣を生活にとりいれていたら、今回のような急死も防げたかもしれないのではないでしょうか。
ただ、ディサービスの通所を見下していたから、ディサービスの通所をせずにすんだからが本人にしたら理想通りの人生だったのかもしれません。
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