今回は、受け取った年賀状の話ではありません。
数年前、玄関に入ろうとしたところ、外出中のような服装の70代位の女性が我が家の門扉の前に立ち、敷地内を覗きこんでいました。
勧誘だと思った私は、警戒しました。
すると、その女性が「お母さんは?」ときくのです。どこの誰だかわからない人物に答えるわけにはいかないので、名前を尋ねました。
女性は「F子です。」名乗りました。昔、母が主催していたお稽古教室に母娘で通われていた方でした。
F子さん、彼女も根堀り葉堀りききたがるのが近所で有名な方です。警戒がなくなるどころか緊張が始まりました。
母は元気にしていることを返事しましたが、納得していない表情で帰ろうとしません。遠方に住む娘から、お宅から年賀状がくるという話から、どうしているんだろうかという話になり、状況を知りたいと言うのです。
母はディサービスに行って留守でした。仮に在宅していても、私の元気にしているという言葉を信じず、見世物を見せろと言わんばかりの好奇心丸出しのF子さんに会わせる気にはなりません。
私は用事があるのでと言い、家の中に急いで入りました。
それで、年末、F子さんの娘に年賀状断りのハガキを出しました。F子さんの娘は、お稽古に熱心な印象があったので何も考え無しに年賀状を母名義で印刷して、出していました。
しかし、F子さん母娘の中では、うちの母の現状を知りたいという欲求を刺激していたようで、年賀状がF子さんをうちに呼びよせる誘因材料になっていたことに愕然としました。
そして、年賀状の断りを出してからはF子さんが訪ねてくることはありませんでした。
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