先生①

先生シリーズ

小学校中学年の時の担任の女性の先生の話です。

先生は当時50才前後で、授業中にお子さんの話をされることがありました。男の子のお子さん2人とも進学校の私立中生だったことが印象的でした。というのも私は勉強嫌いだったからです。

進学校というと勉強ばかりしているイメージがあり、雲の上の話しのようにきいていました。
先生には他にも女の子のお子さんもおられ、この方も進学校の私立中に通学されていました。

この先生は、勉強できる子と勉強できない子との対応に差がありました。

勉強できない子にミスがあると頭を叩いて注意する傾向があり、当然、私も頭をバンバン叩かれていました。それで、この先生のことはあまり好きではありませんでした。

それから数十年後、社会人になり家の整理をしていると先生が母にあてた年賀状がでてきました。先生と母の年齢が近いことから年賀状交換が続いていたようでした。

ふと先生の年賀状を見るとご主人の喪中ハガキの後にもらった年賀状の住所が老人ホームになっていました。そして、その年賀状には一筆コメントがありました。そのコメントには昔のようにお子さんについての記載はなく、私がどうしているのか尋ねている内容でした。

進学校に3人とも在籍されていたことからエリートになられて生活も安泰で、2世帯住居をつくるなどして、お孫さんに囲まれて楽しい生活をされていたのかと思っていたので、意外に思いました。

老人ホームの住所は、家族で過ごされた場所でも先生の実家近くでもありませんでした。ただ、国際空港の近くだったので、お子さん方が遠方に暮らしている関係で空港近くの老人ホームを選ばれたのではと推測しました。これはあくまで推測です。お子さん方がどこで暮らしていらっしゃるかは見当ついてません。

その老人ホームは日帰りできる距離だったので訪ねてみてもよかったのかもしれませんが、数十年振りに先生に会いに行って、お子さん方に不審に思われても困るので訪ねませんでした。

その後、先生から年賀状がこなくなったこともあり消息はわかりません。授業中、お子さんの話を嬉しそうに話されていた姿が残っていたので、この年賀状を読むと複雑な気持ちになりました。



コメント

タイトルとURLをコピーしました